税理士が「面談はオンラインだけ」にしたらこうなった

コロナ禍でオンラインミーティングが一気に浸透

新型コロナウィルスが猛威を振る中、できるだけ人流を減らそうと企業でも在宅ワークが推奨されるとともにミーティングについてのオンライン化が一気に進展しました。

コロナ後も在宅勤務がそのまま定着するかはわかりませんが、ミーティングのオンライン化は元に戻らないのではないかと個人的には感じています。

そこで、当事務所では、今まで「巡回監査」としてお客様のところに出向いてのご相談を今後もオンラインにて行うこととし、WEBサイトでも明示をするようにしました。

そこで、今回は、税理士がミーティングのオンライン化を明確に打ち出すことで、どんな影響があったのかをお伝えしようと思います。

元々一人の「どこでもオフィス」だが

私の事務所は、28年前の独立当初から「専任担当制によるコンシェルジュ型税理士事務所」を標榜し、直接私自身が担当することをお客様とのお約束事としています。

そのため、私自身しかできないことのみに携わり、それ以外の業務については、可能な限り外部にアウトソーシングをしています。

それらの方々との連携については、クラウド上で完結するため、作業をする場所は必ずしも自身の事務所に限定されず、以前から好き勝手な場所で作業をしていたわけです。

45㎡を一人で使いたい放題でなんでも揃う事務所は自宅のすぐそばにあるものの、なぜかそこにはいかない。なので通勤というものはそもそもありません。

お客様が事務所に来ると言うのはせいぜい月に1-2件程度。ほとんどの顧問先にはこちらから出向いていました。

地域密着型ではないため、顧問先の所在地はバラバラ。移動時間は片道1時間程度のところが多いです。

それが、Zoomによるオンラインミーティングを原則にしたところ、それらの移動時間が全くなくなりました。

移動時間がなくなってもたらされるメリット

(1)新規受任可能件数の増加

移動時間や遅刻しないようにと前乗りし調整をしていた時間までを含めると一日の半分くらいは移動に費やしていたということも。この時間はなんらお客様に価値を提供できていません。

それが完全にミーティングをオンライン化することで時間が倍増したのですから、新たに仕事を受任できる余力も一気に増えました。

オンラインでのミーティングは対面での信頼関係の積み重ねの上で成り立つもの。新規の契約はオンラインでは難しいと私自身も思っていましたが、実際には全く関係ありませんでした。

自社のサイト上にも「ミーティングはZoomが原則」と記載してありますし、実際に初回面談についてもオンラインですが、そのまま顧問契約を頂いています。

今では、一度もリアルではお会いしたことのないお客様が多数いる状況で、税務調査のときに初めて名刺交換をするということにもなりそうです。

(2)顧客への応対のレスポンスが飛躍的に向上

完全オンライン化による一番の変化は、お客様からのお問い合わせに対するレスポンスの向上です。

いままでは、数ヶ月前から顧問先への訪問をまるでパズルをはめ込むかのようにしてカレンダーで管理をしていました。

しかし、ミーティングの完全オンライン化によりその時間的な余白が大きくなり、ちょっとした相談ごとも「メールじゃ面倒だからZoomにしましょう」とすぐさまその場でミーティングができるように。三者間などのミーティングでも日程調整がしやすく早期に問題解決ができるようになりました。

おかげでミーティングが23:00スタートとかになることもありますが、どうせ自宅からだしそんなにストレスはないです。

今までも鬼の即レスでメールやチャットにはお応えしていましたが、ミーティングもすぐに取り組めるようになったことでお客様からも評判はよく、オンライン化に対してのネガティブな評価はあまり聞かれません。

確かに顧問先に伺っての面談では、用件だけでなく雑談に花が咲くこともあり、そこから新たに改善すべき事案やアイデアが浮かぶこともありましたが、オンラインでは用件だけがシンプルに話されることが多いです。

そんなコミュニケーション不足があるのであれば、別の機会に一緒にご飯でも食べに行ったほうがいいでしょう。

(3)セミナーもオンラインで集客力アップ

定期的に開催していた「アライアンスLLPセミナー」や「クローズドの勉強会」についても、会場開催は断念しやむなくオンラインでの開催にしました。

オンラインでの有料の開催は難しいとよく言われます。

しかし、実際には、距離の制約がなくなったことで参加者は会場開催の頃よりもずっと多く、会場コストや運営の手間が省かれるのでセミナーとしての採算は飛躍的によくなったのです。

集まること自体が目的であるイベントのようなものでなく、コンテンツを伝えることが目的のセミナー・勉強会については、もう会場で開催することはなく、オンラインセミナーを原則にするつもりです。

ということで、私のような税理士は「完全オンライン化」をしても、メリットのほうがデメリットよりも大きく、少なくともうちはコロナに関係なくこのままということになりそうです。

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