税務調査でもリモート調査が試行されます|税理士の立会いなんかいらんでしょ

2022.10月から全国で「リモート調査」が試行開始

税務通信No.3720号の記事によると、

国税庁は10月から、国税局の特官所掌法人を対象に、職員が法人に臨場しない国税局からの「リモート調査」を試行することを明らかにした。これまでは、調査官が法人に臨場し、法人のパソコン等を利用したWEB会議システムで行う「臨場型リモート調査」だったが、今後は調査官が法人に臨場せず、国税局からWEB会議システムを通じて行う、まさに“リモート調査”が実施される。

まずは国税局の特別国税調査官が担当する特官所掌法人がリモート調査の対象で、今後、調査課所管法人など対象となる法人の範囲を広げていきたい考えだ。

とのこと。

まずは、大規模の法人からのようですが、今後は、さらにその範囲も広がっていくかもしれません。

うちは、お客様とのミーティングは完全にリモートでの対応になっており、唯一臨場しないといけないのが税務調査なので、税務調査でもリモート対応ができれば大変ありがたい。

というか、当たり前のように行っている、税理士の税務調査の立会いって意味あるんでしょうか?

そこで、今回は、税理士の税務調査の立会いなんかリモートでいいか、そもそも要らんだろという話をしようと思います。

リモート調査の概要

コロナ禍で税務調査が思うように実施できない中で、大規模法人に対して「臨場型リモート調査」というものが実施されていました。

これは、本社に税務署員が臨場し、接触をできるだけ避けるために、経理担当者は本社内の別室で対応するというもの。

これでは、経理担当者は、結局社内に滞在する必要があり、税理士も現地に臨場が必要です。

しかし、経理部員等が出社をせずにリモートワークをしているのであれば、わざわざ出社が必要であまり意味がない。リモートワークでも税務調査の対応が可能となる「リモート調査」を望む声が増えていました。

そこで、手始めに、全国に500あるといわれる国税局調査部の特官所掌法人(資本金40億円以上の一定の法人)を対象として、調査官が臨場せずに国税局から法人に対する「リモート調査」が実施されることになったのです。

この「リモート調査」は任意であり、調査を受ける際に法人が希望することが前提です。「リモート調査」を希望する場合は、「リモート調査の実施に関する同意書」を提出します。

利用するWEB会議システム「Webex」 。また、オンラインストレージサービスを利用することで、帳簿等の調査資料もExcel等のデータのまま、調査官とやりとりすることになるそうです。

さらに、税理士など税務調査の立会人もリモート環境で立ち会うことができるようになるという。

これによって、調査官も経理担当者も税理士もみんなリモートでの対応が可能になるということです。(途中で現地調査が必要だと判断されると現地調査も必要になります)

これは、かなり画期的というか、ものすごい変化だなと。

というもの、未だに税務署との連絡には、電話か書面のやり取りが基本で、メールの送受信はもちろん、FAXも税務署は受信のみで送信はできないのですから。

まずは、国税庁の特管所管法人(資本金40億円以上)からということですが、是非、税務署にも対応を広げていただきたいものです。

税理士の立会いなんかいりますかね?

いや、別に税務署での「リモート調査」の立会い開始なんか待たなくても、税理士の立会いは義務でもないし、私が勝手にリモートで立会をすればいいだけなんでしょうけどね。

というか、そもそも別に現地調査で税理士が立会いをする意味ってあんまりないんですよ。

「いやいや、税務調査の対応こそ税理士の仕事だろうが」と言われそうですが、もちろん、税務調査の「対応」は全力でやりますよ。税務調査は大好きなんで。

ただ、企業に税務署が臨場をして調査をする現地調査で税務的な議論がかわされることはまずないんです。

だって、臨場している担当者には、最終的な決裁権はないんですから。

税務署の決裁は、国税調査官、財務事務官といった担当者から現場の決裁権者である統括官、さらに審理という部門を経てなされるんです。

要するに、現地調査ってただの資料収集なんですよ。

だから、資料を用意しておけば、あとは、経理担当者が適宜質問に答えれば十分。実際、うちの税務調査対応でも、現地調査は初日しか立会しませんが、それで全く問題ないですから。

決裁権のない担当者を大声で論破したところで、統括官に「それは、違うでしょ」って言われたら終わりですから。

税務調査の本番は、税務署から出された指摘事項について、書面を揃えて反論をするのがまずは第一歩。その反論を見て、税務署が電話での「調査のまとめ」の打診をしてきます。

その際にも、まずは税務の解釈や事実認定について議論をしますが、

最後には

統括官「で、結局、先生はいくらなら修正してくれるんですか?」

税理士「まあ、これくらいなら。うちの顔を立てれくれないとね」

統括官「いやいや、それじゃ、審理がウンといわないですよ」

税理士「じゃあ、この辺でどうよ。お互い大人なんだし」

統括官「わかりました。それでいきましょう!」

という流れで、あれだけ揃えた資料と今までの議論は何だったんだよという決着をするもんなんです。

こういってはなんですが、税理士が現地調査で張り切るのって顧問先へのアピールでしかないですよ。「ほら、私が税務署を蹴散らしてやりましたよ」っていう。

中には、わざわざ、税務調査のリハーサルとやらをするところもあるそうで。

あくまでも、税務調査の本番は、書面のやり取りと電話だから。現地調査の税理士の立会いなんて、リモートでいいか、そもそも行かなくてもいいんじゃないでしょうか。

実際、私が胆石の緊急手術で急遽立会いができなくなったときも、全く問題なく税務調査はまとまりましたからね。

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