税務調査で揉めない領収証発行3つのポイント

現金や手形小切手で売上代金をもらうと領収証を

売上の入金の大半が振り込みで、たまたま現金などで入金があった時に領収証を発行する会社では、意外と正しい領収証の取り扱いを理解していないこともあります。

この現金入金について発行した領収証というのは、税務調査で意外と問題になることが多いので、その正しい取扱いをまとめておくことにします。

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税務調査でよく見られるのが現金入金

税務調査では、売上高が正しく計上されているのかが、よく見られます。

その際には、継続的に取引をしており振込で入金がされたものよりも単発の現金入金のほうがよく見られるのです。

なぜなら、単発の現金入金のほうが「このくらいはバレやしない」と売上除外をすることが多いからです。

一つでもこのような売上除外が見つかると、他にもないかと非常に税務調査がシビアなものになりますので、単発の現金入金ほどきちんと売上計上することを忘れないようにしてください。

なお、現金で受領した売上代金をすぐに会社名義の通帳に入れていれば、「うっかり売上計上を忘れた経理ミス」と言うこともできますが、そのまま受け取ったお金を自分の財布に入れてしまって、売上計上を忘れたりすると「即重加算税」とされることがほとんどですので特に注意が必要です。

気をつけたい領収証発行3つのポイント

意外と税務調査でよく見られる自社が発行した領収証綴ですが、正しく発行しないと税務調査でいらぬ指摘を受け、無駄にその反論をしなくてはいけなくなりますので、次の点に注意をしてください。

1.振込入金には領収証は発行しない

領収証は現金入金、手形・小切手で受け取った時だけ発行します。

銀行振込により入金を受けた分については、振込依頼書や預金通帳に記録がされるので、それだけで十分に代金のやり取りの証拠となります。

そのため、通常は、振込入金については領収証を発行しません。もし、振込入金についても領収証を発行してしまうと、振込入金以外にさらにその領収証発行分だけ現金での売上入金があったのではないかといらぬ詮索をされる恐れもあるのです。

あまり経理処理の仕組みを理解していない人の中には、振込で支払をしたのに「領収証を発行して欲しい」などと言ってくることもあります。

その際には、振込依頼書や預金通帳への記載だけで支払の証拠となることを説明し、それでもどうしても領収証を発行して欲しいと言われたら、発行する領収証の欄外に「平成◯年◯月◯日振込分」などと記載し、振込とは別に現金売上の入金があったものだと思われないようにしておいたほうが良いでしょう。

2.書き損じや差し替えはホッチキス止めを

領収証を記載している時に書き損じをすると、その領収証を廃棄してしまう人もいます。

しかし、それでは領収証の控えだけを見ると、書き損じだとはわからず、現金売上入金があったものと誤解をされることもあります。

そうならないよう、書き損じは切り離すことなく全体に☓を記載するなどしてそのままにしておきましょう。

また、一旦発行した領収証を修正しなくてはならない場合、既に発行した領収証は、必ず回収し、控えと一緒にホッチキスで止めるなどをしておきます。

もし、相手方が領収証を無くして再発行を求めてきた場合であれば、領収証の欄外に「平成◯月◯日受け取り分再発行」などと記載をするようにします。

税務調査では領収証の控えを見てそれがきちんと売上計上されているのかをチェックするので、領収証の控えだけが残っていて、その売上計上がないと現金売上入金を除外したと思われる可能性があります。

もちろん、きちんと説明をすれば良いだけですが、無駄な説明をしなくても済むようにしておくほうがずっと良いはずです。

3.ミスが少ないのは「耳付き」よりも「複写式」

領収証自体は、相手先に渡してしまいますので、売上計上に必要なデータは「領収証控え」に記載しておく必要があります。

その控えの形式については、二つのタイプがあります。

一つは、一枚の領収証が本体と控えからなり、日付、金額、相手先、摘要など必要事項を記載した領収証本体を切り離して相手先に渡し、控えには再度同じ必要事項を記載するタイプのものです。

この控えのことを通称「耳」といい、このタイプの領収証のことを「耳付き領収証」と呼びます。

もう一つは、領収証と控えが二枚綴りでバックカーボンの入った「複写式領収証」です。

複写式であれば、きちんと領収証本体に必要な事項を記載するだけで、そのまま控えにも漏れ無く必要事項も記載されます。

しかし、耳付きだと、控えには完全にもう一度必要事項を書き加えなくてはいけません。

ただ、最初はちゃんと書いていても段々と手を抜くようになり、税務調査で見返してみたところ、一体何の入金だったのかがわからないなどということも出てくるのです。

あえて耳付きにするのは「オリジナルの領収証を作る」という理由も多いもの。

ただ、やたらとデカイ気合いの入った領収証なんてもらった方も迷惑で、別にあんなもので顧客満足度など上がりはしません。そういうのを作りたがる人ほど控えの記載を忘れたりするんですよね。

領収証なんて、個性など要らないので、無駄な手間も記載漏れのリスクもないフツーの複写式のほうが良いのではないでしょうか。

なお、パソコンで領収証を作成することも法的には何も問題はないです。ただ、その際には、きちんと発行した記録を整理しておくようにしましょう。

販売管理ソフトや領収証発行アプリならば特に問題はないですが、Word、Excelで自作する場合、思いつきでバラバラ作成したり、前に作成した領収証の名前を上書きして印字するようなことは、要らぬ誤解を招くので辞めたほうが良いです。

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