AmazonWebService(AWS)の利用料金は消費税仕入税額控除ができるのか?|消費者向けサービスの仕入税額控除の可否

AWSとは

AWS(AmazonWebService)とはAmazonが提供するクラウドサービスの総称です。

自社に大規模なシステムを構築しなくても、従量課金で高いセキュリティと安定したパフォーマンスを得られるため、多くの企業で利用がされています。

では、そのAWSの利用料金は、消費税の課税対象として仕入税額控除ができるのか。

そこで、今回は、AWSを中心とした「消費者向け電気通信利用役務の提供」とその消費税についてまとめてみることにします。

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結論はAWSの利用料金は消費税の仕入税額控除はできる

論点が二転三転しそのつど結果が変わるので、まずは結論を言っておきます。

AWSの利用料金については消費税が上乗せされており、仕入税額控除が可能です。

それだけ知りたい方は、以降は読まなくても良いです。

では、その根拠は、というと

・消費税は、本来役務提供のされた場所で消費税の可否を判断|国外での役務提供

・ただし、「電気通信利用役務の提供」については利用者の住所等で判断|国内取引

・なお、AWSは「消費者向け取引」とされる|原則消費税の仕入税額控除は不可

・しかし、AWSは登録国外事業者である|例外として消費税の仕入税額控除は可

という流れです。

なにを言っているのかよくわからないでしょうが、それぞれ説明をしていきます。

原則は、役務提供された場所で消費税の課税対象か否かを判定

消費税については、日本国内の取引(国内取引)についてのみ課税対象となり、日本国外の取引(国外取引)については、消費税の課税対象とはなりません。

では、国境を超えた取引については、どのように判定するのでしょうか。判定基準は次のようになっています。

イ 資産の譲渡又は貸付けの場合

資産の譲渡又は貸付けの場合は、一定の取引についての例外はありますが、原則として、その譲渡又は貸付けが行われる時においてその資産が所在していた場所で国内取引かどうかを判定します。

ロ 役務提供の場合

役務の提供の場合は、一定の取引についての例外はありますが、原則として、その役務の提供が行われた場所で、国内取引かどうかを判定します。

つまり、国外事業者であるAmazonが国外で提供するサービスである役務提供は本来は国外取引とみなされます。

電気通信利用役務の提供の特例

しかし、平成27年10月1日以後、電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」とし、その国内外取引の判定基準が変更されたのです。

その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するか否かの判定基準(内外判定基準)は、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から、役務の提供を受ける者の住所等となりました。

つまり、国内に住所等を有する者に提供する「電気通信利用役務の提供」については、国内、国外いずれから提供を行っても課税対象となるのです。

消費者向けサービスについては消費税の仕入税額控除は原則不可

国外事業者が行う電気通信利用役務の提供については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」とそれ以外のもの=「消費者向け電気通信利用役務の提供」とに区分されます。

事業者向け電気通信利用役務の提供はリバースチャージ方式

「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの」をいいます。

Facebook広告などがこの「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当します。

Yahooなどの国内事業者による広告費には消費税が課されるのに、Facebookなどの国外事業者による広告費には消費税が課されないのは、国内事業者が競争上不利である。

でも、国外事業者から消費税の徴収するのは大変だ。じゃあ、Facebook広告については、利用者である国内の事業者がその分の消費税を支払えという訳のわからない理由で納税を強いられる「リバースチャージ方式」というものが適用されます。

ただし、課税売上割合が95%以上の事業者については当面適用が見送られているので、リバースチャージ方式による追加納税が必要なのは、非課税売上の割合の大きい医療機関や土地や居住用物件を取り扱う不動産業者などに限られます。

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消費者向け電気通信利用役務の提供は仕入税額控除は原則不可

「事業者向け」か「消費者向け」かは、あくまでもサービスごとに判定されるもので、利用者が事業者であれば事業者向け、消費者であれば消費者向けというわけではありません。

実際に、利用者の多くが事業者であろうAWSも、広く一般消費者であってもネットで申し込みが可能ということで「消費者向け電気通信利用役務の提供」とされています。

事業者向け電気通信利用役務の提供であれば、リバースチャージ方式により、その利用者である事業者から消費税はふんだくれますが、一般消費者から消費税を巻き上げるのは難しいです。

そこで、消費者向け電気通信利用役務の提供について、利用者の住所で国内取引とされると、事業者は消費税の上乗せの支払いをしていないのに消費税の仕入税額控除が可能となってしまうので、当面の間、消費税の仕入税額控除を認めないという取り扱いがされているのです。

登録国外事業者からであれば消費税の仕入税額控除は可能に

ただし、ちゃんと日本に申告をしてくれそうな会社については、例外として、消費税の仕入税額控除を認めることになっています。

つまり、国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者から受ける消費者向け電気通信利用役務の提供については、その仕入税額控除を行うことができることとされているのです。

登録国外事業者名簿

AWSだけでなくAdobeやDropboxなども登録されているので、消費者向け電気通信利用役務の提供であっても、消費税の仕入税額控除は可能ということ。

これらの登録国外事業者は、消費税を日本国に納税するため、消費税分を上乗せして請求をしてきます。

利用者としては、消費税分だけ上乗せして支払ったのだから、消費税の仕入税額控除が適用されるというだけのことですね。

一方で、以前は、事業者向け電気通信利用役務の提供であったGoogle広告(旧GoogleAdwords)は、日本国内のGoogle合同会社がその役務提供をすることになり、Yahoo広告と同じ単純に国内事業者間の取引となったため、2019年4月より消費税が上乗せされて消費税の仕入税額控除ができるようになりました。

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もう、なにがなんだかわからないですね。

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