Google広告の消費税、払う時は課税、もらう時は対象外|Youtube動画広告と消費税

Googleによるリスティング広告

リスティング広告とは、検索したキーワードに関連するリンクが、検索結果よりも上位に表示される広告のことです。

より高い広告単価を提示した順に表示がされ、広告主は、検索ユーザーがそのリンクをクリックするたびに広告費を支払います。

一方、自身のサイトに記事内容と関連する広告がGoogleにより掲載されユーザーがその広告をクリックするたびにそのサイト所有者に報酬が支払われます。

そのどちらもGoogleが運営をしているのですが、同じGoogleとの広告についての取引であるのに、支払う広告費(Google広告)については消費税の課税対象であるのに、受け取る広告の報酬(GoogleAdsense)については消費税は課税対象外となるのです。

そこで今回は、Googleとの広告についての取引であるGoogle広告とGoogleAdsenseの消費税の取り扱いについてまとめて見ることにします。

Google広告(旧GoogleAdwords)の消費税

Google広告とはGoogleの検索結果に表示されるリスティング広告のことです。

ユーザーが表示されたリンクをクリックするたびに広告費の支払いをGoogleにします。

そのGoogleに支払う広告費については現在、消費税の課税対象です。つまり、支払った広告費については消費税の納税額の計算上、仕入税額控除が可能です。

しかし、以前はこのGoogle広告(旧GoogleAdwords)による支払広告費は消費税の課税対象ではありませんでした。

その理由は、Googleが国外事業者であるということ。

なお、インターネットを通じた役務提供である「電子通信利用役務の提供」については、消費税の対象になるかの判断基準を「役務提供を受ける者の住所」でされるため、消費税の課税対象にはなります。

しかし、その消費税を国外事業者からは徴収するのが困難なため一定の要件を満たす取引については、利用者が国外事業者が本来納付すべき消費税を代わりに納付する必要があるのです。

これを「リバースチャージ方式」といいます。

ただ、全体の売上高に占める課税売上の割合である「課税売上割合」が95%以上の事業者にはこのリバースチャージ方式は当面適用しなくてもよいことになっています。

そのため、不動産業や学校、医療機関など課税売上割合が低い事業者以外の大半の事業者は、結果的にリバースチャージ方式の適用も受けず、支払う広告費については消費税の課税対象外として、仕入税額控除ができないということになります。

これは、国外事業者であるtwitterやFacebookの広告費についても同様です。

リバースチャージ方式とやらでGoogleAdWordsの消費税の取り扱いはどう変わるの?

しかし、2019年4月以降、このGoogle広告の取り扱いがGoogle日本法人に移管されたことにより、国内事業者による役務提供として消費税の課税対象に変わりました

そのため、同日以降のGoogle広告の広告費は従来よりも消費税が上乗せされた金額が請求され、その消費税については仕入税額控除が可能になったのです。

GoogleAdsenseの消費税

GoogleAdsenseは自身のサイトの記事内容に関連した広告をGoogleが表示し、利用者がその広告をクリックするたびにGoogleから報酬が支払われる仕組みです。

このGoogleAdsenseの報酬については、消費税の課税対象外になります。

同じGoogleとの広告に関する取引であるのに、支払う報酬については消費税課税対象、受け取る報酬については消費税課税対象外ということです。

なぜ、そのようなことになるのでしょうか?それはGoogleAdsense事業については、Google Asia Pacific Pte. Ltd.というシンガポールの会社により運営がされているからです。

すでに申し上げたように「電子通信利用役務の提供」については、消費税の対象になるかの判断基準を「役務提供を受ける者の住所」でされます。役務提供を受ける者がこのシンガポールの法人ですから、日本国内の消費税については課税対象外となるのです。

Youtube動画広告も支払う側は消費税課税対象、受け取る側は課税対象外

Youtubeで表示されるGoogle動画広告についても同様です。

広告費を支払う側は日本法人の所管なので消費税の課税対象、報酬を受け取る側は国外法人の所管なので消費税の課税対象外というなんともややこしい話になるわけです。

なお、twitterやFacebookなど国外事業者の運営するプラットフォームへの広告掲載であっても、それらの法人に直接広告費を支払うのではなく、国内の広告代理店との取引である場合には、消費税の課税対象として仕入税額控除の対象となるため、その広告掲載の契約内容について確認が必要でしょう。

このように、ネット広告の消費税の課税関係はとてもとてもややこしいものです。

あまり取り扱いをしていない税理士が処理を間違っているケースも散見されます。

地方の税務署もその取り扱いを理解しておらず、2019年3月以前のGoogleAdwordsへの支払いについて消費税の課税取引とされているのを見過ごしていて、今頃慌てて一斉に対象先の税務調査に入っているところもあるようですね。

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