役員退職金は何年まで分割支給できるの?

役員退職金こそ最大の節税対策

巷で言われる法人税の節税対策は9割は単に税金の支払期限を延期する繰延に過ぎず、リアルに税負担を軽減する節税対策として最も効果的なのは役員退職金の支給でしょう。

そのため、突発的な利益が計上された際などに、先代に退職をしてもらい退職金を支払うということがよく行われます。

退職金というのは「退職に伴い一時に支払われる金員」のことなので、一括払いが原則です。

しかし、資金繰りの都合上、分割して支給をしたいという場合もあるでしょう。

では、役員退職金の分割支給は認められるのでしょうか?

そこで、今回は、役員退職金を分割支給した場合の税務処理についてまとめてみようと思います。

役員退職金の損金算入時期

退職金の損金算入時期は、原則として、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。

ただし、法人が退職金を実際に支払った事業年度において、損金経理をした場合は、その支払った事業年度において損金の額に算入することも認められます。

つまり、

原則は、支払う時期に関わりなく、金額が確定した日で役員退職金の全額を損金算入にするが、実際に支払った日に損金算入がしたければ、それもOKであるということです。

役員の退職金の損金算入時期|タックスアンサー

役員退職金の分割支給の可否

役員退職金が金額も大きく、中小企業の中には、その金額をすぐには支払うことができないこともあるでしょう。

そのようなケースでは、資金繰りの都合上分割して支給をするということが考えられます。

結論から言えば、役員退職金を資金繰りの都合上分割して支給をすることは可能です。

しかし、その期間があまりに長いとなると、もはや「退職に起因して支払われる一時金」ではなく、「年金支給」ではないのかということにもなります。

では、何年間までであれば退職金は分割して支給をしても良いのでしょうか?

これについては、明文規定はありません。

私は、長くとも3年以内には支給が完了するようにしています。

ちなみに、直接は関係ないですが、イデコなどでも「年金支給期間は5年以上20年以内」からとされていることからも、役員退職金の分割支給期間が5年以上となると「それは年金支給である」とされるのではないかと個人的には考えます。

支給時損金計上の場合は特に議事録で支給額等で明示を

株主総会で総額を決議した期に損金計上をしている場合にはまだ良いですが、支出時に損金算入をすることとしていながら、多年度にまたがって不均一な分割支給をするとなると、それは「毎期の損金算入額を調整して利益操作をしているのではないか」とされ、否認されるリスクが高まります。

ですから、支出時に損金算入する場合には、特に「資金繰りの都合上、分割支給をせざるを得ないことが明らかであること」、株主総会の議事録で「分割支給額を事前に明示しておく」ことが必要であると言えます。

分割支給をした場合の源泉徴収

では、分割支給をした場合の源泉徴収はどのようになるのでしょうか?

この場合には、退職金として定めた金額をベースにまずは源泉徴収すべき税額を計算します。

その上で、実際に支給した金額に応じて按分した金額を支給の都度源泉徴収することになるのです。

なお、支給した退職金が、「退職に起因して支払われる一時金」ではなく、年金支給であるとされると、支払う法人側では、その総額を株主総会で決議したとしても一括損金算入はできず年金を支給すべきと定めた日に分割して損金算入がされます。

また、受け取る側でも、退職所得ではなく、公的年金以外の年金として雑所得とされることになるので注意が必要でしょう。

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