オーナー社長という借金での全力一点買い|リスク分散としての金融商品投資
目次
少子高齢・低成長社会という”下りのエスカレータ”
オーナー社長は、「資産運用が大好きな人」と「絶対にしたくない人」に分かれます。
資産運用が大好きな社長は、「お金を寝かせておくのはもったいない」と日々有利な金融商品を探し続けています。
実は、私も過去に色々な資産運用を試してみました。
それこそ、株式投資、不動産投資、仮想通貨取引から、外国の銀行に口座を開設したり、ヘッジファンドを購入したりということまで。
その結果はどうかと言われれば、「その労力で税理士業務を頑張ったほうがもっとお金は儲かっただろうな」ということです。
「ほら、資産運用などしないでまじめに自分の仕事で頑張った方はいい」
「将来が不透明なのにわざわざ資産運用でさらにリスクを上乗せする必要などないだろう」
リスクを嫌う人は絶対にそういうでしょう。
確かに、なにもしなくても十分すぎるほどの資産がある人でなければ、それで良いかもしれません。
しかし、そうではない人は、リスクを取らないことこそ、将来より大きなピンチに見舞われるリスクを高めるのでないのかと。
少子高齢化・低成長社会という”下りのエスカレータ”とはそういうものなのです。
オーナー社長は借金をして全力自分一点買い
よく「自己資金で株式投資をして失敗しても手許の金がなくなるだけで済むが、借金して株式投資をして失敗をすれば借金だけが残るので怖い」などと言われます。
そのこと自体、大きな勘違いではありますが、その「怖い」と恐れる借金での株式の投資先は大抵上場企業ですよね。
そうそうつぶれるものじゃない。
でも、オーナー社長であるあなたが、借金をして全力で投資をしているのは「町の中小企業」ではありませんか?
オーナー社長というのは、「自分の会社への投資家」であり、連帯保証によりそのリスクをすべて背負っているというのは、「借金をして全力で一つの会社に投資をしている」ということではないでしょうか?
どう考えても、オーナー社長であるあなたこそ背負っているリスクは桁外れに大きいのです。
では、どうすれば、そのリスクを少しでも軽減できるのでしょう?
投資の鉄則に「たまごはひとつのかごに盛るな」という格言があります。
それは、いくらリターンがよくても、一点集中投資は損をした時の被害が大きくなるので、リスクを軽減するために、「分散して投資をせよ」ということです。
ですか、投資に力を注ぐくらいなら、得意な自分の仕事で努力をしたほうが今の利益を確保することのできる「期待値」は高い人が多いはずです。
資産運用のプロであるファンドマネージャーが、わざわざ満員電車に揺られて出社するのも、自分のお金を資産運用するよりも給与をもらうほうが期待値が高いということでしょう。
ではどうすればよいのでしょう?
その二律背反する事象の中での解決策は、「目の前の仕事に専念することでリターンを最大化しながら、別のところでリスク分散を図る」ということではないかと。
つまり、この本で伝えたい投資のスタンスは、今よりお金を増やしながらも、「自分全力一点買い」という”偏ったポートフォリオ”を補正し、リスク軽減のためにあえて資産運用をするというものなのです。
投資手法の勉強など時間のムダなのでやめてしまえ
そのための、投資スタイルはというと、いわば「オートマチック投資術」
選択した金融商品に投資をしたあとはその成果には興味を持たず、目の前の自分のすべきことに注力します。
「目の前の仕事で頑張っていたら、知らないうちに”上りのエスカレータ”に乗せておいた自分のカバンのお金が増えていた」というのが理想です。
そのために、まずは、スマホから証券会社のアプリやサイトのブックマークを消してしまいましょう。
では、どんな金融商品を選べばよいのか?
一つ目は「プラスサムの世界で可能な限りの分散投資を」ということ
これは既に申し上げたとおり、一箇所に全力で投資している偏ったポートフォリオを薄めるのであればできるだけ多くの投資先に分散しましょうということ。
そしてその投資先は、まるで麻雀のような限られたお金の奪い合いである「ゼロサム」の世界の金融商品ではなく、市場全体が成長する「プラスサム」の世界の金融商品に投資をするということです。
二つ目はできるだけ「手間の掛からない投資を」ということ
多くの人にとって、自分のビジネスという得意分野に注力したほうが利益を得られる期待値は高いはず。
その邪魔をできるだけ少なくするには、投資先や売買のタイミングなどの判断はできるだけしたくない。
ですから、できるだけ、手間の掛からない資産運用のスタイルを選ぶべきなんです。
三つ目はコストの少ない資産運用をということ
リターンは誰にもわからないし、投資家は努力しようがありません。
「過去のデータやトレンドから将来の株価は予測できない」というランダムウォーク理論というのがファイナンスの世界では主流です。
それにノーベル経済学賞受賞したメンバーまで揃えたLTCMだってわずか4年で破綻してますから。
だから、チャートを読んだり、金融工学を学んだりして、どの株式をどう買うと儲かるのかなんていう勉強は報われにくい努力だということなんです。
この先あなたがノーベル賞が取れるほど投資手法について勉強したところで、リターンにはさほど影響ないんですから。
学ぶべきは確実にコントロールできるコストや税金
では、どんな金融商品を買えばよいのか?
私にも、どの商品のリターンが良い「お宝商品」なんて見分けることはできません。そもそも市場にオトクなお宝商品なんてないのです。
だって、買う側にとって確実にオトクな金融商品があるとすれば、売る側はわざわざ損を承知で売っているということですから。
強欲で生き馬の目を抜くような金融市場にそんな人などいるわけがないでしょう。
あるのは、そんな自分勝手に都合の良いことを考える人をカモにするような「ボッタクリ商品」の方です。
確実に学習することで成果をあげられるのは、そんなボッタクリ商品を見抜くこと。
そして、”マイナスのリターン”である運用コストが安い商品を探し、税金の安く済む運用方法を見つけるということなのです。
事実、投資信託についてみてもその運用報酬である信託報酬が年0.05%のものから年2%近いものまで開きがある。
毎年これだけのコストに違いがあれば長期間複利で運用されれると運用成果に大きな差が出ます。
実質的に投資信託と変わらないものなのに販売時の手数料として多額の手数料の負担が強いられる年金保険が銀行から積極的に薦められることもあるでしょう。
また、税金についても、分離課税と言って他の給与などと通算されることなくその金融商品の運用益だけに一定の税率が課される金融商品と総合課税と言って他の所得と合算され累進課税が適用されるものがある。
どの金融商品を選ぶかどんな申告方法を選ぶかで運用益の手取り額が大きく変わるのです。
さらに損失が生じた場合にも他の金融商品の利益と通算できるものと他の所得とは全く通算できないものもあります。
まさに同じ投資というリスクを取った空中ブランコなのに、失敗したときのネットがあるのとネットがないものほど違います。
なので、もし、勉強するのであれば、できるだけ手数料や税金というコストを削減できる方法を学ぶべきなのではないかということなんです。
そこで、今回は、税の専門家として、そして、自ら”血を流した”投資家として
・金融投資商品
・住宅ローン・保険見直し
・税制優遇措置
という巷で言われる「お金を増やすための手法」について、全くのポジショントークなしの本音ベースで、金融商品の基本と掘り下げた真の姿を”解剖”してみなさまにお伝え致します。
この本をお読みいただければ、あなたもリスクとリターンの本当の意味を理解し、おかしな投資法や金融商品の罠を見抜く『投資賢者』になるためのエッセンスを身につけられるようになるはずです。
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