【保存版】会社を設立したときにやるべき手続きと届出一覧

会社を設立するとやるべき手続きがたくさんある

期待と不安が入り混じりながら独立起業をし、中には会社を設立するという方もいることでしょう。

別に、独立起業したから必ず会社が必要なわけでもなく、一人しかいないのに「代表取締役兼CEO」などという名刺を作りたいだけでなければ、税制や社会保険上、まずは、個人事業で運営をし軌道に乗せてから法人化が圧倒的に合理的です。

その上で、許認可や取引条件などにより、法人を設立する必要が出来たと言うのであれば、法人を設立すれば良いでしょう。

さて、その法人設立時には多くの手続きが必要となります。そこで、今回は、法人設立時に必要となる手続きについてまとめておくことにします。

法人設立登記申請

会社を設立すると、その会社に人と同じような法律上の権利能力(法人格)を与えられます。そのためには、会社等に関する取引上重要な一定の事項(商号・名称、所在地、代表者の氏名等)を「登記」し、その記録を一般に公開する必要があるのです。

(1)定款作成・認証

その会社の商号・名称、所在地、役員、事業目的、資本金、事業年度(決算期)など、会社の基本的なルールを記した「定款」を作成する必要があります。

この定款は、公証人役場において「認証」を受ける必要があります。なお、認証は、「紙の定款認証」のほか、オンラインで認証を受ける「電子定款認証」があります。

「申請先」

会社の本店の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に所属する「公証人役場」

「必要資料」

作成した定款

発起人(当初の出資者)の全員の印鑑証明書(3ヶ月以内)

発起人の実印(持参したほうがベター)

「費用」

定款認証手数料|50,000円+謄本代金

収入印紙|株式会社の場合のみ40,000円(電子定款認証であれば不要)

「代理を依頼する先」

司法書士・行政書士

日本公証人連合会

(2)登記申請

会社の基本的なルールを公開するため、定款に定めた事項等を登記する必要があります。なお、同一の「商号」であり、かつ、本店所在場所も同一な会社が既にある場合には、登記することができないので、そのような会社がないかという「商号調査」を事前にしておく必要があります。

「申請先」

会社の本店の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

「必要資料」

登記申請書等(役員の就任承諾書等含む)

定款

払込証明書(資本金が振り込まれた発起人代表の預金通帳のコピー)

取締役の印鑑証明(3ヶ月以内)

印鑑届出書(法人の代表印登録用)と代表取締役・代表者印の印鑑証明(3ヶ月以内)

「費用」

株式会社|約15万円

合同会社|約6万円

「代理を依頼する先」

司法書士

法務局

税務署・自治体届出

法人の設立が完了したら、その事実を税務署等に届け出る必要があります。

また、「青色申告」「源泉所得税の納期の特例」などの適用を受ける場合には、それらの届け出が必要です。

一般的に届け出る必要があるもの届けたほうが良いものは次のとおりです。

(1)税務署

「申請先」

法人の本店所在地を所管する税務署

「届出書と提出期日」

法人設立届|法人設立後2ヶ月以内(ペナルティ無し)

給与支払事務所開設届|給与支払い等が生じてから1ヶ月以内(ペナルティ無し)

青色申告承認申請書|法人設立から3ヶ月以内(もしくは事業年度終了まで)

源泉所得税の納期の特例に関する承認申請書|特例を受ける月の前月末まで

「添付書類」

定款のコピー

登記簿謄本のコピー

出資者名簿

設立趣意書

設立時の貸借対照表

新設法人の届出書類|タックスアンサー

「代理を依頼する先」

税理士

(2)都道府県・市区町村

「申請先」

会社の本店所在地のある都道府県と市区町村(ただし、東京都は都税事務所のみに提出)

「届出書と提出期日」

法人設立・設置届|事業開始から15日以内(ペナルティ無し)

「代理を依頼する先」

税理士

東京都主税局

社会保険・雇用保険申請

会社は、従業員数に関わりなく、社会保険加入義務があるため、社会保険加入手続きが必要です。また、従業員を雇用した場合には、雇用保険の加入も必要になります。

(1)社会保険(健康保険・厚生年金)

「申請先」

本店所在地を所管する年金事務所

「提出書類と提出期日」

健康保険・厚生年金新規適用届|会社設立から5日以内

健康保険・厚生年金被資格者取得届|会社設立から5日以内

健康保険被扶養者(異動)届(扶養親族がいる場合)

「添付資料」

登記簿謄本原本

「代理を依頼する先」

社会保険労務士

日本年金機構

(2)雇用保険

「申請先」

本店所在地を所管するハローワーク

「提出書類と提出期限」

雇用保険適用事業所設置届|従業員を雇用た翌日から10日以内

雇用保険被保険者資格取得届|雇用した翌月の10日まで

「代理を依頼する先」

社会保険労務士

ハローワークインターネットサービス|厚生労働省

(3)労働保険

「申請先」

本店所在地を所管する労働基準監督署

「提出書類・提出期限」

保険関係成立届|従業員を雇用した日の翌日から10日以内

労働保険概算保険料申告書|保険関係成立から50日以内

「代理を依頼する先」

社会保険労務士

労働保険関係各種様式|厚生労働省

銀行預金口座開設

会社が事業を行う場合、預金口座がなくては業務に支障が生じます。新設法人の口座開設は意外にハードルが高いのです。

それこそ、「どこかの金融機関が口座開設をすればうちもする」という状況になりやすく、最初の一つ目の口座開設が大変です。

事業が行われていることを確認するため金融機関から「発行した請求書を提出せよ」などと言われますが、「預金口座が決まらないから請求書が発行できないんです。早く口座開設してくださいよ」などという堂々巡りにも。

ちなみに私も、楽天銀行で既に一社の預金口座を開設しているのに、もう一社の預金口座開設を断られたことがあります。もう独立して25年も経つのに悲しいです。

一般的には、来店の必要のないネット専用銀行は思ったよりも審査は厳しく、ゆうちょ銀行に来店で作成するほうがハードルは低いのではないかと。

まずは、ゆうちょ銀行か個人で取引のある金融機関で預金口座を開設し、その実績をもって、他の金融機関に預金口座を開設することをおすすめいたします。

融資は必要ないなら法人の預金口座はゆうちょ銀行が便利

なお、スムーズに預金口座開設をするには、金融機関がその事業活動を審査しやすくなるよう、かんたんでよいので自社のサイト(ホームページ)は作成しておくほうが良いでしょう。

いわゆるバーチャルオフィスは門前払いとなることが多いので、まずは本店所在地は自宅などにしておいてください。

法人設立手続きはプロに依頼する方が賢い

預金口座開設以外は、すべて、自分ひとりでも出来ることです。

会社設立当初は時間に余裕もあるでしょうから、自分で手続きについて勉強をしてみることでコストダウンも図られるでしょう。

しかし、これらの手続きは、何度もやることじゃないでしょう。

これらの手続きのポイントを勉強して理解したとしても、その努力が次に役立つ場面も多くはないです。

どうせ時間を使うなら、将来の集客力に寄与することや何度も繰り返して使うスキル習得に時間を費やしたほうがずっと「時間の投資効率」はよいはず。

これから事業を軌道に乗せようという段階であればその先の期間が長いのでなおさらです。

そして、今後事業を拡大していくためには、どうしたって他人に仕事を依頼し、自分にしか出来ないことに集中する必要も出てきます。

それなのに、すべて自分でやろうというのは、本来その時間で稼げたであろうお金を稼ぎそこねる「機会損失」が生じているということなのです。

そうならないよう、プロがそのスムーズに仕事ができるようになるまでに要した時間を買い、その時間でコスト以上のお金を稼ぐ「時間のサヤ取り」の感覚をおぼえるためにも、まずは、法人設立作業はプロに依頼し、その空いた時間で一日も早く事業を軌道に乗せるための活動に従事することをオススメいたします。

ああ、「だから、うちに依頼してくれ」とかいうポジショントークじゃないですよ。うちは、そういう手続きは得意じゃないですから。

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