新型コロナウィルス肺炎対応の資金繰り支援策|セーフティネット保証とセーフティネット貸付

経済産業省が新型コロナウィルスの影響を受けた事業者への支援策を発表

新型コロナウィルスの影響で事業活動が大幅に制限されている事業者がたくさんいます。

このままでは、肺炎にならずとも事業者は死んでしまいそうです。

それに対して、経済産業省も新型コロナウィルス感染症に関連した経済支援策を出しています。

そこで、今回は、その中でも、新型コロナウィルスの影響で売上高が減少した先に対する資金繰り支援策についてまとめてみることにします。

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信用保証協会のセーフティネット保証

信用保証協会とは、担保や保証人を用意できない事業者に対して、保証料を支払うことで保証人になってくれる公的機関のことです。

民間金融機関が無担保無保証人で直接融資をするのは難しい場合でも、この保証協会が保証をつけてくれることで、融資をする民間金融機関のリスクは大幅に減るため、担保力の脆弱な中小企業の資金調達に大いに役立ちます。

この信用保証協会の保証には限度額があり、通常(一般枠)として一社あたり最大「無担保保証8,000万円」「有担保保証2億円」までの利用が可能です。

なお、この「一般枠」での信用保証に加えて、緊急性の高い経済事象が発生した場合には、「セーフティネット保証」が別枠で用意されています。

このセーフティネット保証については、1号「連鎖倒産防止」から8号「金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡」までそれぞれの要件が付された保証がありますが、このうち、4号が「突発的災害(自然災害等)」であり、5号が「業況の悪化している業種」に対するものです。

これらは、リーマンショックや台風災害など一企業では受け止めることのできないような大きな経済環境変化が起きたときに随時発動されていました。

今回の新型コロナウィルス感染症により大きな影響を受けている事業者に対して、この4号「突発的災害」と5号「業況の悪化している業種」についてのセーフティネット保証の利用が可能になったのです。

4号|突発的災害(自然災害等)

対象となる中小企業者は次の要件を「どちらも」満たす者です。

  • 申請者が、下記の指定を受けた地域において1年間以上継続して事業を行っていること
  • 下記の指定を受けた災害等の発生に起因して、その事業に係る当該災害等の影響を受けた後、原則として最近1か月間の売上高又は販売数量が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。

つまり、自治体がセーフティネット保証の利用を要請した場合、その自治体の管轄で1年以上継続して事業を行い、売上高が20%以上減少している事業者については、一般枠とは別枠で無担保保証8,000万円、有担保保証2億円のセーフティネット保証を受ける余地があります。

なお、この保証については、万一融資が回収できなかった場合、保証協会がその損失の100%を保証するものです。

金融機関のリスクは極めて小さく、保証協会が保証を承諾すれば、金融機関が融資に応じる可能性は非常に高いと言えます。

(あくまでも保証枠の利用可能上限であり、必ずしも上記の金額までの融資が受けられるわけではありません。その会社の回復後の返済可能財源額から保証金額が決まります)

おそらく、今回は大部分の自治体が要請をすることになるのではないかと個人的には予想しています。

<追記>

やはり47都道府県すべてが対象となりました

5号|業況の悪化している業種(全国的)

対象となるのは以下の「いずれか」の要件を満たすことについて、市区町村長の認定を受けた中小企業者です。

(イ)指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者

(ロ)指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者

今回の新型コロナウィルス感染症の影響については(イ)のほうです。

つまり、指定業種に属し、最近3ヶ月間で売上高が前年同期比5%以上減少していると市区町村長の認定を受けた中小企業者は、一般枠とは別枠で無担保保証8,000万円、有担保保証2億円のセーフティネット保証を受ける余地があります。

指定業種は、期間ごとに変更されています。今回最も影響が大きそうな旅館業や飲食業が直近の令和元年12月20日公表分には入っていないので、改定版が公表されることでしょう。

こちらも、今回は風俗業などを除き大部分の業種が対象になるのではないかと個人的には予想しています。

セーフティネット保証5号に係る中小企業者の認定の概要|中小企業庁

なお、この保証については、万一融資が回収できなかった場合、保証協会がその損失の80%を保証するものです。

残りの20%は民間金融機関がリスクを取らねばならないため、「100%保証」よりは姿勢は厳しくなりますが、「80%保証」は一般枠の保証と同じであり、一般枠を既に使い切ったものの担保や保証人を用意できない事業者の資金繰り確保には大いに役立つと言えるでしょう。

<追記>

旅館・ホテル、食堂、レストラン、フィットネスクラブなど40業種が緊急で対象に追加されました。

セーフティネット保証5号の指定業種の追加

申し込み手続き

申込先

・法人|登記上の住所地又は事業実体のある事業所の所在地

・個人事業主|事業実体のある事業所の所在地の市町村(または特別区)の

商工担当課等の窓口

提出書類

認定申請書2通を市区町村担当窓口に提出(その事実を証明する書面等があれば添付)して認定を受ける

金融機関または所在地の信用保証協会に認定書を持参のうえ、保証付き融資を申し込むことが必要です。

セーフティネット保証|中小企業庁

日本政策金融公庫のセーフティネット貸付

中小企業が信用保証協会の利用をしないで融資を受けられる金融機関として日本政策金融公庫があります。

これは、国民生活金融公庫と中小公庫が統合された組織ではあるものの、現在も「国民生活事業」と「中小企業事業」として、明確にその融資業務が別れています。

中小企業事業は、一般的には、年商10億円以上クラスでの取引が多く、それ以下の規模であれば国民生活事業での融資が現実的です。

この日本政策金融公庫が新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口を開設して、セーフティネット貸付の要件を「売上の減少の程度に関わらない」などと緩和し、支援対象を今後の影響が懸念される事業者にまで拡大します。

このセーフティネット貸付とは、社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方で一定要件を満たした者に対する特別融資です。

融資の上限金額は4,800万円、金利については日本政策金融公庫の融資ベースとなる「基準金利」が用いられます。

担保、保証人については、必ずしも不要ではありません。

ですが、緊急の支援の色合いから、従来であれば売上減少時にはハードルの高い追加融資についても、その融資の条件については、柔軟に対応をする余地があるといえるでしょう。

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)|日本政策金融公庫

特に苦境に陥る旅館業や飲食業などについては、さらに別枠での融資枠を設けるなど積極的に融資に応じてくれる模様です。

新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付(国民生活事業)|日本政策金融公庫

この他にも自治体が独自に支援のための制度融資を実施することも多数あります。本店所在地の自治体のサイトで「融資」というキーワードで検索をかけてみてください。

生身の人間も肺炎には、普段から無駄を削ぎ落とした強い体質を維持し、それでも不測の事態には応急措置を行うものの、最後は自分の力でしか克服することはできません。

融資という応急措置で手当をした後は、なんとか稼ぐ力を強化しこの難局を乗り切ってください。

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