やってみてわかった!セミナーのZoomオンライン配信化のメリットとうまくいくためのコツ

新型コロナシフトで勉強会をオンライン化

会場でのセミナー事業というのは、感染拡大防止のため、今まで通りの開催は、当面難しいでしょう。

私自身も4月に開催予定であったクローズドの勉強会について、Zoomを使ったオンライン配信に切り替えてみました。

そこで、遅まきながらオンライン配信をしてみて気がついたメリットとオンラインであるがゆえにやっておいたほうが良いことについてまとめてみようと思います。

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オンライン配信に使用したのはZoom

4月に開催したオンラインでのセミナーというのは、新型コロナウイルス対応の資金繰り支援策についての緊急解説と従来から準備をしていたロジカルコミュニケーションの勉強会。

どちらも、参加者は、お客様やお世話になっている関係者、それに、過去のセミナー参加者などでオープンに参加者を募集したものではなかったです。

参加人数は、概ね30人前後。

使用したツールは、今やオンラインミーティングのスタンダードになりつつあるZoomというものです。

念のために申し上げると、私はZoom社の株式を上場時より所有していますが、だからといってZoomのステマをしてウハウハするほどの株式数じゃないですし、そもそも、私にそんな影響力はないです。

今さらですがZoomってすごい!|税理士の巡回監査はもういらない?

Zoomには、いくつかのプランがありますが、無料のプランですと、3人以上の通話は40分で一旦終了します。セミナーの長さがそれ以上であれば、月額2,000円(税別)のProという有料プランに加入が必要です。

主催者が有料プランに加入していれば、他の参加者は無料プランのままでも、40分以上の配信は可能です。

同時通話できる人数については、基本は100人まで。追加料金を支払うことで人数を増やすこともできます。

Zoomは、録音・録画も可能ですので、そのまま、オンライン配信の内容を後で、動画や音源として配布することもできます。

なお、Zoomは2020.4月現在、セキュリティに問題が生じている部分もあり、気になる方は、CISCOWebexかWherebyをおすすめ致します。使用感や機能は、ほとんど変わりがありません。

CISCOWebex

Whereby

オンライン配信は会場開催よりもここがよい

参加のハードルが下がる

セミナーの内容に興味があったとしても、わざわざ会場まで行くというのは大変だからやめておくという方は多いもの。

それが、オンライン化することで、今まで参加出来なかった遠方の方が数多くご参加をいただけるようになりました。

実際、私も税理士に受講が義務づけられている年間36時間研修について、会場に行かずにオンライン配信ばかりを選んでいます。

参加者は「顔出し」については、自分でオン、オフを選択できるので、それこそ寝間着のようなラフな格好で参加することができます。

主催者だって、カメラに映らないテーブルの下はスウェットでも大丈夫。

それに、いつでも入室退出が可能であり、仕事しながら聞き流すこともできるなど、その参加のためのハードルを一気に下げることが可能になります。

これは、主催者にとって、今まで距離などの制約によりアプローチ出来なかった顧客層にもリーチができるということなのです。

会場を用意する必要がない

通常、セミナーを行うには、参加者を収容するための会場が必要です。

人数が多くなるほど、その会場の選択肢は少なくなり、より早い会場確保が必要になります。

100人以上となると、好立地の会場は、半年以上も前に予約をします。

そのため、会場を手配し、多額のコストを回収するためにしっかりとした集客をする時間を要するので、結果的に開催までに相当の時間を要することになるのです。

また、会場開催の場合、参加者の利便性を考え選んだターミナル駅そばの会場はコストが高く、うまく集客できない場合には赤字になるというリスクを抱えねばなりません。募集告知前は、毎年胃に穴があきそうです。

一方で、うまく集客ができすぎてしまうと、キャンセルを見越してオーバーブッキングをするものの、それが当日までに解消できるのかとドキドキするというジレンマもあります。

それが、オンラインであれば、セミナー会場を早くから抑える必要も、その会場費も不要であり、集客人数についても、制約はありません。

おかげで、自宅や自分の事務所からサクッとタイムリーにセミナーを開催することができるのです。

レジュメの準備の時間もかからない

会場でのセミナーの場合、終了時刻が定められていることが多く、時間内で終了させることには特に神経を使います。

拘束された環境での延長は、「1分につき1割満足度が下がる」と考え、絶対に時間超過をしないようレジュメを構築し、時間配分の確認を何度も行っていました。

しかし、オンラインであれば、それほど終了時刻の制約もありません。時間が伸びて聞けなくなれば、その人は勝手にいつでもボタン一つで離脱ことができますので。聞けなかった部分は、後で録音した音源を送付することでフォローすれば良いでしょう。

ですから、「セミナー時間は概ね◯◯時間程度ですが終了予定時刻未定」というアナウンスでも十分です。

そうなると、時間配分を考慮したレジュメの作成や通過時間の確認などをシビアに行うための時間が不要になる。そのため、こちらの面でもスピーディにセミナーを開催することができるようになったのです。

イメージとしては、紙の本だと、限られた文字数のため、できるだけ無駄な接続詞を減らすことが求められたり、改ページの区切りのための文章の追加や削除にやたらと時間が取られるのに対して、WEB媒体なら、文字数など気にぜず、リズムよく読まれるためにバンバン接続詞を入れたり、無意味な文字数の調整など不要になるようなものです。

こうなると、わざわざ会場で開催をするのは、イベント的な集まりが目的の時だけであり、コンテンツを伝えたいのであれば、むしろ、オンラインが原則になるということでしょう。

オンラインセミナーをするためにやったほうがよいこと

有線のLAN接続で

「セミナー配信のための機材は、最初は最小限でいきたい」というのであれば、カメラの付いたノートPC一台で出来ます。

通信環境についても、Zoomでのミーティングをするだけであれば、Wifiで十分です。

しかし、Wifiではスピードが落ちて不安定になることもあり、自分が配信中にそれらのサポートするのは難しいです。

それであれば、できるだけ通信スピードが安定する有線LAN(100Base-T)での接続をしたほうが良いでしょう。

マイク付きWebカメラは絶対にあったほうがよい

ノートPCにはカメラが付いていることが多く、これでも顔を映すことは出来ます。

しかし、フルHDのWebカメラと比較すると、その画質は大きく異るので、配信をするのであればWebカメラは絶対にあったほうが良いです。

私が買ったのは「フルHD、1080P」レベルで、価格も7-8千円ですが、これで十分です。

また、マイクについても、マイク付きのヘッドセットを当初は使っていましたが、むしろこちらのほうが声がこもって聞こえるとのことで、Webカメラのマイクを通じて行うようになりました。

ヘッドセットによる物理的な行動制約もなく、こちらのほうが快適です。

LED照明はあったほうがいい

部屋の天井のシーリングライトをつけていると、カメラに白い光が反射してしまうことがあります。

かと言って電気を消すと顔が暗くなり、印象も暗くなります。

その場合には、LED照明を使うと良いでしょう。

私が買ったのは、卓上用の3,000円くらいのものですが、それで十分です。

 

 

レジュメを画面共有して、講師はサムネイルで表示

会場でのセミナーを再現するのであれば、ホワイトボードを背にして、講師の全身を映すという方法もあるのでしょう。

しかし、参加する側の視点から比較検討してみたところ、最も見やすいのは、レジュメをメインに表示し、講師はサムネイルで表示をするという方法でした。

これならば、Zoomでパワポをそのまま画面共有するだけで可能になります。特別な撮影機材は、何も要らないです。

なお、自宅などから配信をするとカメラに部屋が写り込んでしまいますが、Zoomには背景画像を差し込めるので、気に入った写真を表示させることで、部屋を片付けるような必要もなくなります。

別にどっちでもいいのですが、私はネタとして、毎回、背景は変えてます。意外と本当に「こんな豪邸に住んでいるんだ」と誤解する人も。

なお、よりきれいに背景を映すのであれば、クロマキー処理用の「グリーンバック」を買ったほうがよいようです。


ミーティングモードでも十分だが参加者の音声は切ってもらう

セミナーなど配信に適した機能に「ウェビナーモード」というさらなるオプションがあります。

配信については、主催者と参加者を切り分ける「ウェビナーモード」という方がより合理的ですが、そちらはさらに追加の費用が必要で月額5,400円(税別)となります。

うちも、一般公開の有料で100人以上のセミナーならば、ウェビナーモードでの開催をすることも検討しています。

しかし、クローズドの30人程度の参加者であれば、通常の「ミーティングモード」でも問題はないです。

ただ、ミーティングモードは配信者と聴衆という切り分けはなく、全員がフラットな関係なので、参加者の声やノイズを拾ってしまいます。

ですから、参加者のマイクについては「ミュート」をしてもらい、音声を切ってもらうと良いでしょう。(主催者側から一括してミュートも出来ます)

電源は必ずACアダプタで

最近のノートPCはバッテリー駆動時間が長く、私のLGのgramも22時間駆動を謳っています。

しかし、Zoomを利用するとバッテリー消費がメチャクチャ激しいです。

WEBカメラやLED照明の電源供給もさせたときは、2時間持たなかったです。

さすがに、照明を接続しないオンライン飲み会のときにはそこまで短くはないですが、通常の使用の3倍位のバッテリー消耗をすると思っておいたほうがいい。

ですから、配信をする場合には、必ずACアダプタ経由で電源を入れたまま行うようにしましょう。

PC上で負荷のかかる作業はしない

Zoomは通信量をできるだけ少なくする技術に優れていると言われますが、Zoomを使用していると、PCの操作性にはかなりもっさり感が出ます。

Zoomでの配信中でYoutubeなどオンライン上の動画の再生などをすると極端にスピードが遅くなったり、最悪PCが”固まって”しまうこともあります。

ですから、Zoomでの配信をする場合、動画の再生など通信に負荷のかかる作業はできるだけ避ける、どうしても必要なものは事前にダウンロードをしてオフラインで再生などをしたほうがよいのではないかと思います。

できればWEBカメラの位置は目の高さにまで上げる

ノートPCのカメラをそのまま使ったり、ノートPCにWEBカメラを設置したりして、そのままオフィスの机に乗せると、たいていWEBカメラを上から覗き込むような目線になります。

それに対して、目の高さがWEBカメラの高さと合っている見ているほうが、相手からすると自然に話しかけられているように見えます。

カメラを別途設置するにせよ、ノートPCのカメラを使用したりWEBカメラをノートPC上部に設置するにせよ、雑誌などを土台にして、目線の高さまでカメラ位置を上げたほうが良いでしょう。

事前にレジュメと一緒に参加マニュアルを送っておく

参加者の中には、Zoomを初めて利用するという方がいらっしゃることもあります。

そのような方のために、Zoomでエントリーするための方法を書いたマニュアルを作成し、開催の前日までにレジュメと一緒に送付をし、目を通してもらうようにしたほうが良いでしょう。

開催30分前にリンクメールを送付しサポートをする

そうは言っても、そういう人ほど、マニュアルは読まないです。

そして、ギリギリになってよくわからないと言ってきます。

セミナーが始まってしまうと、講師一人しかいない場合、サポートはまず出来ないので、30分ほど前に参加のためのリンクをメールで送信し、「わからない方はお早めにエントリーしてください」と促したほうが良いでしょう。

ただ、それでも、そういう人ほどギリギリに来て、マイクもつないだままで、講演中にマイクを切るように言わないといけなくなるのは、仕方がないことだと諦めましょう。

録音は別のレコーダーで

Zoomはそのまま画面を動画として、あるいは音声を保存することは可能です。

しかし、講演中にできるだけ不測の事態を起こしたくないので、私は、別のICレコーダで音声収録をし、レジュメ+音源という形式でお客様などには配布をしています。

音声のほうが休憩時間などのカット、編集の手間も動画よりは、ずっと少なくて済みますから。

動画のほうが情報量は多くそちらを好む方もいるかもしれませんが、画面のメインはレジュメを写したものであり、どこでも気軽に再生ができるのは音声ファイルではないかと個人的に考えているため、あえて、レジュメ+音源として配布をしているのです。

聞き手を一人用意する

会場セミナーと異なり、オンラインでの配信は、参加者の反応を確認しづらいといえます。

特にレジュメを画面共有してしまうと参加者の表情を知ることは難しくなります。

そんなときに、一人でWebカメラに独り言のように語るというのは結構しんどいものです。

ですから、一人聞き役を用意し、その人だけマイクをオンにして相槌を打ってもらう。いわば、ラジオパーソナリティのようにして、その内容を参加者にも聞いてもらうという形式のほうがはるかに話しやすいのです。

やってみることで制約を突破し新たな顧客層へリーチする機会に

会場でのセミナー事業は、「三密」の典型例であり、少人数であっても、開催することが社会的に許容されるには相当な時間が必要だと言わざるを得ません。

会場でのセミナーが出来ないための苦肉の策としてのオンライン配信でありましたが、やってみて、気がついたのは、そもそもセミナーって会場でやる必要はあるのかなということ。

うちのクローズドの勉強会は、新型コロナ収束後であっても、原則、オンラインでの配信とするつもりです。

オンライン配信を実施することで、必須のものであるという固定観念として凝り固まっていたコストや事前準備が実は必須のものでないことに気づくとともに、距離的、時間的、物理的な制約をも突破し、新たな顧客ターゲットへのリーチも可能になったのです。

さらに、全国に散らばるプロフェッショナルをつないでサクッとパネルティスカッションをしたりとか、損益分岐点が限りなく0であることを利用してニッチな企画にもジャンジャンチャレンジしてみようかと。

まさに、ピンチはチャンス。

自分の力では変えられないことを嘆いているよりは、制約の中でできることを試行錯誤しながら、環境に順応していくしかないのではないでしょうか。

まあ、どうにも無理なこともありますけどね。

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