税務調査でもよくみられる消費税で間違えやすい処理

消費税増税でさらに判断ミスの影響が大きく

2019年10月より消費税が8%から10%に増税がされます。

消費税の税率が大きくなればなるほど、その処理の誤りによる追徴課税の金額も大きくなるのです。

そこで、今回は、税務調査でもよくみられる消費税の処理で間違いやすい項目についてまとめておくことにします。

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仕入税額控除

消費税の納税額は、預かった消費税額ー支払った消費税額として計算されるのですが、この支払った消費税額として控除がされる「仕入税額控除」については、次の項目に誤りが多く、税務調査でもよく指摘がされます。

海外渡航費

消費税は、日本国内での取引について課税対象となり、海外でなされた取引については課税対象とはなりません。

ですから、海外への出張の際の外国のホテルでの宿泊費や飲食代などは、消費税の課税対象とはならないのです。

しかし、中には、日本国内での出張旅費と同様、消費税の課税対象として経理処理をしていると、消費税分について過大に仕入税額控除をしていたことになるので追徴課税がなされます。

なお、日本から海外への航空券については、国内取引のようにも思えますが、実際には、消費税は上乗せされていないので、仕入税額控除の対象になりません。

そのため、この海外渡航費は、税務調査でよくみられる項目です。

ですから、家族での海外旅行などは税務調査が入れば高い確率で否認されると思っておいたほうが良いでしょう。

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商品券購入

商品券を使って、商品を購入した場合、その商品等の購入については、消費税の課税対象であり、仕入税額控除が可能です。

しかし、商品券自体には、消費税は上乗せされていないので、商品券の購入については、仕入税額控除の対象となりません。

慶弔費

冠婚葬祭のために贈答品を購入したり花を出したりした場合、それらの取得に要した支出については、消費税が上乗せされているので消費税の仕入税額控除は可能です。

しかし、これらの冠婚葬祭に際して、お祝いや香典など慶弔費の支払いをした場合、それらの支出については、消費税は上乗せなどされていないため、仕入税額控除の対象にはなりません。

諸会費

諸会費とは、民間の同業者団体や組合の参加費などが主なものですが、これらが消費税の課税対象となるかならないか判断は難しいところです。

その判断基準は、その団体から受ける役務の提供などと支払う会費などとの間に明らかな対価関係があるのかということ。

もし、その諸会費がセミナーなどへの参加費であれば、講義や講演の役務の提供などの対価ですから課税仕入れとなり、仕入税額控除の対象になります。

しかし、その団体の業務運営に必要な通常会費については、一般的には対価関係がありませんので、課税仕入れとならず、仕入税額控除の対象になりません。

なお、対価性があるかどうかの判定が困難なものについては、その会費などを支払う事業者とその会費などを受ける同業者団体や組合などの双方が、その会費などを役務の提供や資産の譲渡等の対価に当たらないものとして継続して処理している場合はその処理が認められます。

つまり、団体側も構成員側も「これは消費税の課税対象外ということでいいよね」と認めるのであれば、団体側が会費について消費税の納税をする必要もない代わりに、構成員側も消費税の仕入税額控除はできないということです。

会費や入会金の仕入税額控除|タックスアンサー

これらの費用は、交際費や福利厚生費、諸会費として処理されることが多いでしょう。

この勘定科目の中に全く消費税の課税対象外のものが含まれていないというケースのほうが少ないのではないかと。

そのため、税務調査ではまずは科目別の消費税額計算書の提示を求められ、交際費、福利厚生費、諸会費に全く消費税課税対象外がない場合、重点的にその内容をチェックされるということが多いのです。

クレジットカード手数料

クレジットカードで売上代金を受け取る場合、クレジットカード利用手数料を差し引かれた差額がクレジットカード会社から入金がされます。

普通に考えれば、このクレジットカード利用手数料はこれらのシステムの使用料として支払っているのであるため、消費税の上乗せがされていると考えるのではないかと。

しかし、実際には、クレジットカード会社の行為は、売上債権を買取り、金利相当額の割引をした上で代金を支払っているものなので、クレジットカード手数料は債権譲渡という金融取引により生じたもので消費税は非課税となり、仕入税額控除の対象とはならないのです。

ただし、クレジットカード会社直接ではなく、クレジットカード会社での決済を代行する会社に依頼をしている場合、その決済代行会社に対して役務提供の対価として手数料を支払っているので、その手数料は消費税の課税対象となり仕入税額控除の対象となるので注意が必要です。

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損害賠償金

損害賠償金を支払ったとしても原則として、消費税は上乗せされていないので、仕入税額控除の対象とはなりません。

ただし、損害賠償金でも、次のような場合は消費税の課税対象となるので、支払いをした側では消費税の仕入税額控除の対象となるのです。

  1. 損害を受けた製品を加害者に引き渡す場合で、その資産がそのままで使用できる場合や、軽微な修理をすれば使用できる場合
  2. 特許権や著作権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料に相当する場合
  3. 事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合

損害賠償金や保険金を受け取った時の課税関係|課税のケース・非課税のケース

自動車取得税・自動車税・保険料

税金や保険料の支払いについては、消費税の課税対象とならないことはよく知られていることでしょう。

しかし、自動車購入に際して、車両の取得価額全額を消費税の課税対象としてしまうと、本体価格と一緒に支払いがされる自動車取得税や自動車税、自賠責保険料については過大に仕入税額控除がされてしまうので注意が必要です。

このことも税務署はよく理解しているので、税務調査では、車両の取得があれば、その契約書などで明細についてチェックがなされるのです。

軽油引取税

ガソリンについては、ガソリン税を含めた金額に消費税は課税されています。明らかな二重課税なのですが、ガソリン代については、消費税の課税仕入であり、全額が仕入税額控除の対象となります。

しかし、軽油の場合には、軽油引取税については、消費税が課税されていません。

ですから、軽油の支払い代金全額を課税仕入としていると仕入税額控除が過大にされていることになります。

これも、特にトラックなどを何台も使用している業種の場合、税務署はよくみてくるので注意が必要です。

軽油を使う会社は税務調査で狙われます|軽油引取税・ガソリン税の消費税

簡易課税みなし仕入率

簡易課税とは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、課税仕入れの金額を合計することなく、課税売上高に業種ごとに定められた「みなし仕入率」を掛けた金額を仕入税額控除の金額とすることができる制度です。

この簡易課税のポイントは、どの業種の「みなし仕入率」を適用するかということですが、次の点で誤りが多いと言えます。

業種 みなし仕入率
第一種(卸売業) 90%
第二種(小売業) 80%
第三種(製造業・建設業) 70%
第四種(飲食業・その他) 60%
第五種(サービス業) 50%
第六種(不動産業) 40%

加工業は第四種

材料を仕入れて製品に加工をする業種は、製造業として第三種事業のみなし仕入率70%が適用されます。

しかし、材料は得意先から提供され、加工だけを行う会社の場合、製造業ではなく加工業として第四種事業のみなし仕入率60%の適用がされるので注意が必要です。

なお、建設業についても、自らはなんら資材の提供をせず、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う場合には、第四種事業となります。

事業用資産の譲渡は第四種

事業に供する自動車などの資産を譲渡した場合、それらの課税売上高については、その事業に適用されているみなし仕入率が適用されると考えるかもしれません。

しかし、事業用資産の譲渡をした場合、その売却代金については、どんな事業をしていたのかに関わらず、すべて第四種事業としてみなし仕入率60%が適用されることになるのです。

簡易課税の事業区分|タックスアンサー

これらは、間違いも多く、税務調査でも指摘されることが多いので、申告時にはきちんとチェックをしておきたいものです。

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