マイホームをローンで買ったら保険は減らせ

ローンで家を買ったら必要保障額もアップする?

マイホームには、家族にとって特別な思いがあり、どんなことがあっても不本意な形で手放したくないと多くの人は考えています。

そのため、マイホームを購入したときに、事故や病気で自分が亡くなってもローン返済に困らないようにと生命保険の加入を増やすケースが多いようです。

しかし、多くの場合、マイホームを住宅ローンで買ったときには、生命保険の保障金額を減らすほうが合理的です。

そこで、今回は、マイホームの住宅ローンと生命保険について考えてみようと思います。

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生命保険は有用だがコストがあまりに高い

生命保険は、わずかな負担で、どんなに努力をしても発生確率を0にすることができず発生すると多大な損失が生じる事象の準備に備えることができる大変有用な制度です。

しかし、有用で不可欠な生命保険ですが、その制度維持のためには多額のコストが掛かります。

事実、生命保険の制度維持のために使われるコスト(付加保険料)は、いわゆる掛け捨て保険(定期保険)で、保険料全体の2割から7割にも及ぶと言われているのです。

生命保険とは、いわば自分の寿命を予測するギャンブルであり、制度維持のためのコストは、胴元のテラ銭のようなものです。

中央競馬でもテラ銭や25%なのに、テラ銭が掛け金の最大7割にも及ぶというのであれば、あまりに割の悪いギャンブルだということができるでしょう。

保険料の内訳を公開|ライフネット生命

ですから、生命保険には、万一のときに自分一人ではカバーできない損失をカバーするため損を承知で渋々加入するのが無駄のない正しい生命保険の加入方法です。

そのためには、その必要保障額は、あくまでも「今後いくら必要か」ではなく「万一の際には、いくら自力では支払えないのか」で計算すべきなのです。

決して余剰資金の運用先として選択するようなものではありません。

住宅ローンの大半は団体信用生命保険付

住宅ローンの返済は、その人の収入を見込んでのことですから、万一死亡した場合には、住宅ローンを支払うことができなくなってしまいます。

銀行としては、「じゃあ、その住宅を売って借金を返してもらえばいい」ということになるのでしょうが、処分に時間がかかる上にいくらで売れるかはわかりませんし、そんなことをして恨まれるのはできるだけ避けたいもの。

そこで、住宅ローンについては、その融資残高に連動した保障額となる「団体信用生命保険」が予めセットされているものや任意でその保険に加入することが多く、「死んでもローンの返済は団体信用生命保険でカバーされる」のが一般的なのです。

あなたが思っている保険の必要保障額はまず間違いなく過大である

団体信用生命保険の分だけ既存の保険をへらす

マイホームを購入することで、今まで支払っていた家賃については、支払う必要はなくなります。

マイホームを購入する際には、ローン返済額が今まで支払っていた家賃とさほど変わらないようなローンを組むのが一般的ではないでしょうか。そうしないと、生活が破綻してしまいます。

万一、ローンを組んだ人が亡くなった場合、その住宅ローンの残高は団体信用生命保険の保険金で返済がされ、以後のローンの返済はなくなります。

ローンを組んだ人が死亡した場合には、遺族はローンの返済はする必要がなくなり、そこに住み続ける限り、以前は支払っていたはずの家賃の支払いの必要もありません。

つまり、マイホームを購入することで、団体信用生命保険による保障が増えたのであれば、将来の住居費分については、他の生命保険での必要保障額から外してもよいことになるはずです。

ところが実際には、「マイホームを購入することで一国一城の主になるのだから、もっと多くの生命保険に加入しなければならない」と思っている人が多いのではないか。

亡くなったことで収入がなくなることは大きな痛手ですが、それは、既に別の生命保険で十分すぎるほどカバーされているケースがほとんどではないでしょうか。

それこそ、遺族年金など公的な保障による収入は考慮されていなかったり、資産は一切無視して借金の総額を返済しようするような保障額となっているケースがとても多いのです。

ただでさえ、必要保障額に対して過大になった保障をつけているのに、ローン残高に応じた団体信用生命保険が追加された上で、さらに追加で保険に加入をしたら、そりゃ単に割の悪いギャンブルに金を余計に突っ込むだけで、手許にお金が残るわけなどないです。

もちろん、残された家族にとって、もらえる保険金は多ければ多いほど良いのは間違いないです。

遺族の中には、「過剰に加入していた保険」でより多くのお金をもらえて助かったということもあるでしょう。

しかし、そのような過大な生命保険料の支払いは、確率論的に無駄となることのほうが圧倒的に多く、万一の際にも適正な保障があればマイホームは維持できるはずです。

ですから、マイホームを購入したときには、それを機会に、無駄な生命保険加入を見直し、保障額を適正額にしたことで浮いたお金を手許にプールをして万一の収入減少に備えたり、住宅ローンの繰り上げ返済に充当することを考えてみてはいかがでしょう。

あわよくば生命保険で生きているより将来の財産を増やそうというのは、競馬以上に割の悪いギャンブルだということです。全然、資産防衛なんかじゃないですよ。

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