外資系・国内コンサル会社のプレゼン資料を比較してみました

説得力のある提案書を作る

2016年に開催したアライアンスLLPセミナー「やってみてわかった!ホントに役立つ仕事術・時間術ー」のテーマは「もっと稼ぐためのExcel・パワポ活用術」でした。

その中で、どうすればもっと説得力のある企画書や提案書が作成できるのかを考える上で、巷で話題の外資系Excel・パワポ活用術に関する本を読み漁り、実践してみた結果を報告したわけですが、その際に、実際の外資系コンサルティングファームが作成している提案書はどんなものだったのかを比較してみたのです。

今回はその意外な結果を見ていこうと思います。

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外資系企業会社のテンプレート

巷の外資系パワポ活用術の本によると、企画書・提案書には次の6点が必須であるとのことです。

メッセージ

このシートで最も伝えたいこと

グラフ・チャートのタイトル

メッセージの根拠となるグラフやチャートのタイトル

グラフ・チャート

メッセージの根拠となるグラフやチャート

脚注

グラフ・チャートの前提や注意書き

出典

グラフ・チャートの出典

ページ

シートのページ数

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック 山口 周

外資系コンサルタントのプレゼン資料作成術|スクー

このテンプレート通りにシートを作るとこんな感じでしょうか。

これらがないようなやつは、その時点でまともなプレゼン資料ではないと。

本当にそうなのか、調べてみました。

コンサル会社のレポート比較

マッキンゼー

ひとつめはマッキンゼーが書いた「我が国製油所の国際競争力」という経済産業省向けの調査レポートです。

これをみると「日本の製油所の原油処理能力には実は余力がある」というメッセージを証明するためのファクトとして製油所の稼働率のデータとそのグラフが示されてます。

こちらのページはそれらの事実から「我が国の製油所が国際競争力を保つためのそれぞれの改善点」がいくつかの視点から箇条書きでまとめられています。

我が国製油所の国際競争力|経済産業省

ボストン・コンサルティング・グループ

こちらはBCGの情報通信審議会向けの提案書です。

こちらも王道通り「アジアを中心に今後も情報インフラ投資は伸びていく」というメッセージを証明するデータとグラフが書かれています。

ただ、BCGも提案部分はかなり細かい文字でシートいっぱいにテキストで書かれていますね。

情報通信審議会情報通信政策部会

野村総合研究所

では、外資系ではなく国内のシンクタンクはどうでしょう。

これは野村総合研究所の「日本の不動産市場」という調査レポートです。

シートの構成はほとんど外資系と変わりありません。

違いはメインメッセージの他にサブメッセージが加えられているということくらいです。

野村総合研究所がグローバル化していったのか、合理性を追求すると結局こうなるかはわかりませんが、国内のシンクタンクの資料を見るとさほど外資系が特殊なものではない気がしますね。

日本の不動産の投資市場

IGPI(経営共創基盤)

最後はIGPI。産業再生機構の社長として名を馳せた冨山和彦さんが社長を務めるコンサルティング会社です。

メッセージをわかりやすく伝えるためのチャートを作るのはこちらも同じです。

ただ、微妙にダサいです。

こっちはもっとダサいです。斜体なんて「ホームページの創世記」でしか見たことないです。

もちろん中身はいいことがイッパイ書いてあるのでしょうが、BCGとかと比べるとかなりダサい。

カッコ悪さに目が行って、なんだか内容に目が行きません。

そう考えるとやっぱり説得力を高めるためには見た目も大事なのかなと。

科学技術とビジネスの統合化がもたらす変革

テンプレに固執することはないがどう書けばよいかわからないなら

ということで外資系のパワーポイント本で書かれたことを検証しようと、いろいろなコンサルティング会社の提案書を比較してみました。

よく、「シートには箇条書きは極力するな」とか「テキストだけのシートは死んでも作るな」などという人もいますが、数千万円もらうような調査レポートでもテキストだけのシートは作られていますので、特に提案部分など、なんでもグラフやチャートでまとめる必要はないのではないかなと思います。

結論は、「外資系」と銘打たれたプレゼン資料のテンプレートというのは、それに固執しなくても良いとは思いますが、見た目もシンプルでかっこいいですし、どう書けばよいのかわからない人が学ぶ型としては合理的なものだといえそうです。

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